写真撮影を入り口に、コンサルティングやプロデュース、伴走サポートを行うmikotoさん。
もともとは人材紹介会社で両面型の営業を経験し、「人と人をつなぐこと」に長く携わってきました。
現在は、セラピストを中心に、その人自身の魅力や強みを掘り下げ、
写真撮影やプロモーション、事業の方向性まで一緒に考えながら、一人ひとりに合わせたサポートを行っています。
「かっこいい人物写真を撮ること」だけが目的ではありません。
その人がどんな人なのか。何を大切にしているのか。これからどうなりたいのか。
一人ひとり異なる個性を大切にしながら、その人自身が自分の答えを見つけられるように伴走する。
今回は、現在の活動に至ったきっかけや、人材コンサル時代の経験、人物撮影との出会い、
そして「人を大切にする」という仕事への想いについてお話を伺いました。
現在はどのような活動をされていますか?
現在は「mikoto」として、人物撮影を入り口に、コンサルティングやプロデュース、伴走サポートを行っています。
最初は宣材写真の撮影からスタートして、そこに少しずつコンサルティングを組み合わせるようになりました。
今では、どちらかというと「プロデュース業」に近いかもしれません。
ただ、決まった形があるわけではありません。
新人の方もいれば、何年も活動されている方、ある程度経験があるけれど伸び悩んでいる方もいます。
それぞれ置かれている状況が違うので、その方に合わせてサポート内容も変えています。
まずは、その人がどんな人なのかを掘り下げる。
「何が強みなのか」
「どんなことを大切にしているのか」
「どういう方向に進みたいのか」
そこを整理した上で、どんな人物撮影が必要なのか、どうプロモーションしていくのか、何をしていけばいいのかを一緒に考えていく。
それが今の仕事の中心です。
もともと人材コンサルの経験があったそうですね。
そうですね。
以前は人材紹介会社で、企業側と求職者側の両方を見る「両面型」の営業をしていました。
企業の採用ニーズを見る一方で、求職者の方がどういう人なのか、どういう仕事が合うのかを考えながら、双方をマッチングしていく仕事です。
その経験を通して、「人って面白いな」と感じることが多くありました。
一人ひとり違う考え方や価値観があって、それぞれに合う環境や活躍できる場所がある。
もともと、人をバックアップするようなことには興味があったんだと思います。
今の仕事をしていると、当時の経験が意外なところでつながっているなと感じます。
写真撮影を始めたきっかけは?
もともとカメラマンとして、子どもやご家族の記念撮影などをしていました。
七五三やお誕生日など、いわゆる記念写真が中心です。
ただ、自分が撮りたいと思っていたものとは少し違っていて、一度人物撮影の仕事を1年ほど休んだ時期がありました。
その後、あるきっかけで現在関わっている業界と出会いました。
最初は自分自身がお客さんとしてその世界に入ったんです。
そこで出会った方から「また人撮らないの?」と言われたことが、大きなきっかけになりました。
その一言がなかったら、今の仕事はなかったと思います。
「また人撮らないの?」という一言が転機になったんですね。
そうなんです。
そのときは最初、「なんでまた人物写真なんだろう?」と思ったんです。
でも、改めて自分の中を考えてみたら、
「私、本当は人を撮りたかったんじゃないか」
と気づいたんですよね。
一度辞めてしまったけれど、「撮りたい」という気持ちは残っていた。
それを誰かに言ってもらったことで、もう一度やってみようと思えました。
だから、その方には本当に感謝しています。
人との出会いや、何気ない一言が、その後の人生を変えることってあるんだなと思います。
実際にその業界を経験したことで、今の仕事につながる気づきもあったのでしょうか?
かなりありました。
最初にお客さんとして経験したときに、とても印象に残ったのが「自己開示」の大切さです。
初めてのときは緊張してしまって、自分のことをあまり話せなかったんです。
相手の方はすごく丁寧に聞いてくださっていたのに、自分がちゃんと話せなかった。
そのときに、
「自分が開示していないのに、相手にそれ以上のものを求めることはできないな」
と思いました。
それで、もう一度挑戦してみようと思ったんです。
次はちゃんと自分を出そう、と。
実際に自己開示をしてみると、相手とのやり取りも変わって、すごく濃い時間になりました。
そこで初めて、「人がお互いに自分を出し合うって、こんなに面白いんだ」と感じました。
その経験が、今の「人を深く見る」という仕事にもつながっている?
そうだと思います。
この仕事では、取り繕った「かっこよさ」だけではなく、その人の人となりが見えることがすごく大切だと思っています。
だから宣材写真も、ただかっこよく撮ればいいとは思っていません。
もちろん、かっこいい宣材写真も必要です。
でも、かっこいい宣材写真だけなら、世の中にはたくさんあります。
その中で「この人に会ってみたい」と思ってもらうためには、その人らしさが伝わることが大切なんじゃないかなと思っています。
私自身が実際に選ぶ側だったとき、決め手になったのは、すごく自然な笑顔の人物写真でした。
その一枚から、その人の人柄が伝わってきたんです。
だから今、自分が人物写真を撮る側になったときも、
「この人だったら、どんな写真がその人らしさを伝えられるだろう?」
という視点を大切にしています。

人物撮影だけではなく、コンサルティングまで行うようになったのはなぜでしょうか?
写真を撮っていると、自然とその人と話す時間が増えるんです。
「どんな活動をしているんですか?」
「今、何に困っていますか?」
「これからどうしていきたいですか?」
そういう話を聞いているうちに、悩みを抱えている方が結構いらっしゃることに気づきました。
特に新人の方だと、
「何をすればいいのか分からない」
「何から始めればいいのか分からない」
という状態の方もいます。
一方で、ある程度経験のある方でも、伸び悩んでいる方がいます。
そこで、「人物写真を撮って終わり」ではなく、その先も何か力になれるんじゃないかと思うようになりました。
最初は少しずつでしたが、何人かの方をサポートしていく中で、
「もう少し長期的に伴走してみよう」
となり、今の形になっていきました。
伴走サポートでは、具体的にどんなことをするのでしょうか?
本当に人によって違います。
例えば、宣材写真だけではなく、
「どういう発信をしたらいいのか」
「LINEをどう返したらいいのか」
「どんなプロモーションが合っているのか」
「今は何を優先した方がいいのか」
といった、かなり具体的なところまで一緒に考えることもあります。
ただ、私が全部答えを渡すというスタイルではありません。
その人自身が「どうしたいのか」を見つけられるように、一緒に整理していくことを大切にしています。
「答えを与える」のではなく、「自分で答えを見つける」ことを重視している?
そうですね。
例えば、「売れたいです」と言っても、人によって目標は違います。
月50万円を目指したい人もいれば、100万円を目指したい人もいる。
もっと大きな目標を持っている人もいる。
でも、売上だけを追えばいいわけでもありません。
仕事とメンタルのバランスをどうするのか、自分らしさをどう残すのか。
その人がどうなりたいのかによって、着地点は変わります。
だから、
「じゃあ、あなたはどうなりたい?」
というところから一緒に探していきます。
その上で、
「そこに行くためには何が必要なんだろう?」
と考えていく。
私が答えを決めるのではなく、その人自身が答えを見つけられるようにする。
それが私のコンサルティングのスタイルです。
一方で、すべての方を受け入れているわけではない?
そうですね。
そこは「誠実でありたい」という気持ちが強いです。
例えば、今サポートを始めても成果につながらない状態だと思った場合は、お断りすることもあります。
「今はまず、ご自身と向き合うことから始めた方がいいんじゃないですか」
とお伝えすることもあります。
もちろん、契約を続けた方が自分にとっては売上になります。
でも、それではその方のためにならないと思うんです。
今すぐ変えたいという気持ちがあっても、その人自身がまだ「自分で考えて答えを探す」という段階にいなければ、短期間のサポートだけでは難しい。
だからこそ、今やるべきタイミングなのかどうかも含めて、一緒に考えることを大切にしています。
仕事をする上で、一番大切にしていることは?
一番は、「人を大事にすること」です。
人って、みんな違いますよね。
その人の個性やオリジナリティを大切にしたいと思っています。
だから、最初から「こうすれば売れる」という型にはめるのではなく、
「この人には何があるんだろう?」
というところを見ます。
本人が気づいていない魅力もあります。
客観的に見て、
「ここ、すごくいいところだと思う」
と伝えることもありますし、本人自身に気づいてもらえるように問いかけることもあります。
その人が持っているものを、無理に変えるのではなく、どう活かしていくか。
そこを大切にしています。
「人を大事にする」というのは、仕事においてかなり大きなテーマなんですね。
そうですね。
それと同じくらい、「誠実であること」も大事にしています。
だからこそ、無理に契約を取ることはしたくありません。
「今はこの人に必要なタイミングじゃない」
と思ったら、ちゃんと伝える。
もちろん、それで離れてしまう可能性もあります。
でも、そこを曲げてまで仕事をしたくないんです。
結果的に、その人が自分自身と向き合って、また必要なタイミングで戻ってきてくれたら、それでいいと思っています。
これまで活動する中で、苦しかった時期はありましたか?
正直、試行錯誤の日々なので、苦しいことの方が多いです。
最初に人物撮影を始めた頃は、右も左も分からない状態でした。
その後、店舗さんとの契約を経験したときに、自分が何を大事にしているのか、どこを守りたいのかを改めて考える機会がありました。
そこで、「私って、経営者なんだな」と気づかされたんです。
それまでは、どこか「ママ起業」のような感覚でやっていた部分もあったと思います。
自分ではもう卒業したつもりだった。
でも、実際に企業と対等に仕事をしていくとなると、責任の重さも違います。
そこで改めて、
「仕事として責任を持ってやっていくって、こういうことなんだ」
と感じました。
自分の視点が狭かったことにも気づかされましたし、厳しさを感じる一方で、すごく成長する機会にもなりました。
その経験をどう乗り越えたのでしょうか?
4〜5年くらい、自分自身とかなり向き合ってきた時期があります。
売上がほとんどない時期もありました。
でも、その時間があったからこそ、考え方や物事の捉え方が変わったと思います。
以前だったら、何かマイナスなことが起きたら、そのまま落ち込んでいたかもしれない。
今は、
「これは今、自分が何を学ぶタイミングなんだろう?」
と考えられるようになりました。
もちろん、今でも怖いことはあります。
事業を大きくしていいのか。
方向性を変えていいのか。
失敗したらどうしよう。
そういう気持ちは今でもあります。
でも最近は、「怖いからやらない」ではなく、
「それでも、やりたい理由は何なのか」
を考えるようになりました。

今後、実現していきたいことはありますか?
今後も、その人自身の個性を大切にしながら、人物撮影だけではなく、もっとその人の活動全体をサポートできる存在になっていきたいです。
一人ひとり違うからこそ、同じやり方を当てはめるのではなく、その人に合った形を一緒に見つけていく。
そして、仕事を通して関わる方たちに、
「自分って、こういうところがあるんだ」
と、新しい発見をしてもらえたら嬉しいですね。
将来的には、自分自身で店舗を持つことも考えています。
人と人とのつながりが強く、スタッフ同士がお互いを支え合えるような、温かいお店にしたいです。
また、ただ働く場所をつくるだけではなく、しっかりとした研修制度も整えて、一人ひとりが成長できる環境をつくっていきたいと思っています。
自分がこれまで経験してきたことや、誰かに支えてもらった経験を、今度は次の人たちに還元していけるような場所にできたら嬉しいです。
最後に、これから挑戦する方へメッセージをお願いします。
何かを始めるときって、怖いと思うんです。
私自身も、今でも怖いです。
「これでいいのかな」
「失敗したらどうしよう」
って思うことはあります。
でも、そこで止まってしまうと、何も変わらない。
私自身、誰かから言われた何気ない一言で、もう一度人物写真を始めることができました。
だから、今もし「やってみたい」と思っていることがあるなら、一度自分に聞いてみてほしいです。
「本当はどうしたいんだろう?」
と。
最初から完璧じゃなくてもいい。
やってみて、違ったら考え直せばいい。
自分の中にあるものを少しずつ見つけながら、自分らしい形で進んでいってもらえたらと思います。

