現在、建設事業を軸に、ライバー事務所、アパレル、格闘家のスポンサーなど、次々と活動領域を広げている株式会社Re:Road。
その代表を務める田中社長のSNSを見ると、多くの仲間や著名な格闘家たちに囲まれ、華やかな世界を歩んできた人物のようにも見える。
しかし、その原点にあったのは、決して恵まれた環境ではなかった。
人見知りで、人前に出ることも苦手。経済的にも厳しい家庭環境の中で育ち、かつては周囲の顔色をうかがいながら生きてきたという。
そんな一人の青年が、なぜ起業し、多くの人を巻き込みながら次々と夢を実現していくようになったのか。
そこには、「挑戦すること」と「夢を口に出すこと」を徹底してきた、田中社長独自の生き方があった。
まず、現在の事業について教えてください。
メインは建設関係です。道路の復旧工事や外構工事、舗装、植栽などを行っています。もともと解体の仕事もしていたので、そういった仕事を受けることもあります。
ただ、今はそれだけじゃなくて、ライバー事務所やアパレルなど、いろいろなことをやっています。
これからはVTuberの事務所もやりたいですし、ホテルや温泉、不動産などにも興味があります。
僕、本当に何でも興味を持っちゃうんですよ。
株式会社Re:Roadを立ち上げたのはいつですか?
2024年7月です。
それ以前も会社員として現場を任され、自分たちで仕事を管理して動かしていたので、意識としては事業をやっている感覚に近かったと思います。
もともとは解体の仕事をやっていて、その後、今の事業につながる土木関係の会社に入りました。
最初はその仕事自体が好きだったわけではありません。ただ、給料が良かったので続けていました。
頑張れば日給も上がって、最後の方にはかなり稼げるようになりました。
でも、ずっと現場仕事を続けていくのは身体的にも厳しい。
年齢を重ねる中で、「このままずっと雇われて働いていくのか」と考えるようになりました。
そこから「起業しよう」と決断したわけですね。
そうですね。
当時の会社を辞めようと思った時、僕も35、36歳くらいになっていました。
転職するとしても、今より給料が下がる可能性が高い。家族もいるし、生活水準も簡単には落とせない。
だったらもう、自分でやるしかないと思いました。
「月100万円くらい稼いで、嫁と子どもにいい生活をさせたい」
最初は本当に、そこからでしたね。

もともとリーダーシップがあって、人前に出るタイプだったのでしょうか。
全然です。
もともとすごく人見知りですし、人前に出るのも嫌いでした。
子どもの頃はいじめられていましたし、家も裕福ではありませんでした。
父親がいなくて、母親も朝から夜まで働いていたので、妹と一緒にいることも多かった。
だから子どもの頃から、人の表情をすごく見るようになったんです。
「この人は何を嫌がるんだろう」 「何をしたら喜んでくれるんだろう」
当時は生きていくために身についた感覚だったと思うんですけど、今になって考えると、それが仕事にもすごく活きています。
過去の経験が、現在の経営者としての強みになっている。
今はそう思います。
当時はもちろん辛かったですけどね。
僕は昔から、周りに人がいないとダメなタイプなんです。すごく寂しがり屋ですし、一人だったら今みたいなことはしていなかったと思います。
特に大きかったのは、今の妻と出会えたことですね。
僕がまだ会社員で、本当にお金がなかった時から一緒にいてくれました。
バイクが壊れてもたった5万円の修理代が払えないくらいの時期もありましたし、給料の前借りをするような時もあった。
今とは全然違う時代です。
それでもずっと支えてくれた。
だから、「この人や家族を幸せにしたい」という気持ちは、僕が動く大きな原動力になっています。
独立するとき、怖さはありませんでしたか?
めちゃくちゃありました。
ただ、会社員として仕事をしている中で、自分で仕事を取ったり、現場を任されたりする経験が増えていったんです。
そこで「これ、自分でもできるんじゃないか」と思うようになった。
仕事先や工事現場の近所のおじいちゃん、おばあちゃんにも可愛がってもらうことが多くて。
技術だけじゃなくて、人との関係をつくることも、自分の強みなのかもしれないと思いました。
そこから少しずつ、「自分でやろう」という気持ちが強くなっていきました。
起業後、最初に掲げた「月100万円」という目標も実現された。そこから、なぜさらに事業を増やしていったのでしょう。
100万円という夢が一つ叶ったら、今度は200万円が欲しくなるんですよね(笑)。
上を見たら終わりがない。
それと僕、本当に何にでも興味を持つんです。
釣りの話をされたら釣りをやりたくなるし、おいしいラーメンを食べたらラーメンを作りたくなる。
温泉が好きだったら、「じゃあ温泉施設を作ってみたい」と思う。
昔から工作も好きで、何かを作ること自体が好きなんです。
嫌なことを勉強しろと言われても覚えられないけど、自分が興味を持ったことなら勝手に調べるじゃないですか。
僕はそれを、そのまま事業でもやっているだけだと思います。

田中社長を語るうえで、もう一つ印象的なのがSNSでの積極的な発信です。
僕、本当は今でも人見知りなんですよ。
どこかに呼ばれても、当日になるとつい億劫になること、誰しもありますよね?(笑)
でも、実際に行ってみると、ほぼ必ず「行ってよかった」と思うんです。
だから最近は、初めての経験だったらなるべくやってみようと思っています。
知らないままで終わるのが嫌なんですよね。
夢や目標も、かなり積極的に口にされていますよね。
それは意識してやっています。
「この人と仕事をしたい」 「ライバー事務所をやりたい」 「これくらい稼ぎたい」
何でもいいんですけど、とにかく周りに言ってしまう。
言ってしまったら、やらないと恥ずかしいじゃないですか(笑)。
自分で自分を背水の陣に追い込むんです。
でも、それだけじゃありません。
口に出していると、自分自身も普段からその夢に近づく選択をするようになる。
それを聞いていた周りの人が、「そういえば知り合いいるよ」と紹介してくれることだってあります。
だから僕は、「ホットワードを周りに出しておく」というのはすごく大事だと思っています。

実際、それによって人脈も大きく広がっています。特に格闘技界では、多くの選手を支援されていますね。
最初のきっかけは、朝倉未来選手に会いたいと思ったことでした。
もちろん、スポンサーを始めれば直接会えると思っていたわけではありません。
最初はTikTokライブなどを見て、そこから選手と少しずつつながっていきました。
スポンサーになれると知って、当時の自分にとっては決して小さくない金額でしたけど、「何とかお金を作ってやってみよう」と。
それがスタートです。
最初からビジネスとして考えていたわけではない?
全然なかったです。
好きだからやっていました。
でも実際にスポンサーとして選手の試合を見るようになると、ただの観客だった時とは全く違うんですよ。
負けたら本気で悔しいし、勝ったら本気で嬉しい。
妻ももともと格闘技が大嫌いだったのに、今では選手が勝っても負けても泣くくらいになりました(笑)。
会場で応援していて、自分までいつも感動してしまい、涙をこらえるのに必死です。
そこにはお金だけではない「思い」があるんです。
その活動が、結果的に事業にもつながってきた。
そうですね。
最初は全く仕事にしようと思っていませんでした。
ただ、いろいろな選手を応援していくうちに、少しずつ「Re:Road」という名前を知ってもらえるようになりました。
いきなり有名な人のところへ行っても、「誰ですか?」となるじゃないですか。
だから一つずつ実績を積もうと思ったんです。
最初は「朝倉未来選手に会いたい」というところから始まったのが、今は「日本の格闘家でRe:Roadを知らない人がいないくらいにしたい」という目標に変わりました。
そうしてできたつながりが、ライバー事務所やアパレルにも少しずつつながっています。
最近になってようやく、全部が点ではなく線になってきた感覚があります。

ライバー事務所も急速に成長しているそうですね。
最初の10人を集めるのに2か月くらいかかりました。
でも、少しずつ信用してもらえるようになって、「ここいいよね」と言ってもらえるようになって。
そこから半年くらいで100人まで増えました。
大手の事務所は1000人規模だと聞いているので、次はそこを目指したいですね。
――建設、ライバー、アパレル、格闘技。今後はどこまで広げていきたいですか?
建設業は、今の仕事でさらに信頼を積み上げながら、東京だけではなく、神奈川や茨城などにも拠点を広げていきたいです。
ライバー事務所は1000人規模を目指す。
アパレルでは靴なんかも作ってみたい。
ホテルや温泉、不動産もやりたい。
海外に学校を建てるという夢もあります。
本当にやりたいことはいっぱいあります。
なぜ、それほど急いでいろいろなことに挑戦するのでしょう。
僕の中には、いい意味でずっと「死」というキーワードがあるんです。
いつまでも時間があると思っていない。
何か資格を取りたいと思って、取得するまでに1年。その後事業を始めるまでにまた1年、と考えていたら、人生の時間ってどんどんなくなっていくじゃないですか。
だから思ったことは、なるべくすぐやるようにしています。
死んだ時に忘れられたくない、という気持ちもあります。
だから、学校を建てたいという夢もあるし、いろいろなことを残したい。
もちろんまだまだです。
でも、「今世ではここまでしか行けなかった」となるとしても、行けるところまでは行ってみたいんです。
将来的に、どんな経営者になりたいですか?
堀江さんや前澤さんみたいな方は、僕からしたらもう神様みたいな存在です(笑)。
僕はそこまで遠い存在というより、「この人なら自分も目指せるかもしれない」と思ってもらえる、親しみやすい社長でいたいですね。
今は経営者自身がSNSやメディアに出る時代になっています。
僕自身はまだまだ勉強中ですけど、こういう機会をいただいたらなるべく出る。
発信することも含めて、経営者として成長していきたいと思っています。

最後に、今の仕事に違和感を持ちながらも、起業や挑戦への一歩を踏み出せずにいる読者へメッセージをお願いします。
憧れているだけだと、ずっとその人の脇役で終わっちゃうと思うんです。
もちろん、いきなり大きなことをする必要はありません。
小さな挑戦でいい。
やってみて、小さな成功体験を一個作る。
それを積み重ねることが大事だと思います。
僕だって、もともと人見知りですし、別に頭がいいわけでもない。
周りから馬鹿にされたこともたくさんあります。今だってあります。
でも、馬鹿にされるくらいのことほど、やってみたらいいと思うんですよ。
みんなと同じことをやっていたら、みんなと同じ場所にしか行けない。
挑戦すれば嫌なこともあります。
運も絶対あると思います。
でも、挑戦しなかった人には見られない世界がある。
舞台をずっと観客席から見るのか。
それとも、自分も舞台に上がるのか。
人生は誰かの物語じゃない。
みんな一人ひとりが、自分の人生の主人公だと思っています。
だから主人公になるために、まずは挑戦してみてほしい。
僕もまだまだ挑戦していきます。

